「基地移設反対」染まる徳之島 「甘い汁はいらない」(産経新聞)

 政府が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設先として検討している鹿児島県徳之島で、18日に行われた反対集会参加者は島民の6割に当たる1万5千人(主催者発表)に膨れ上がり、徳之島町中心部の漁港は「反対」のプラカードを手にした島民で埋まった。鳩山由紀夫首相は現地入りに意欲は示すものの、島が「反対」一色に染まりつつあるなかで二の足を踏んでいる。賛成派も明確な方針を示さない政府に不信感を募らせている。(宮下日出男、尾崎良樹)

 集会には移設に反対する天城、伊仙、徳之島の3町長も顔をそろえた。

 「振興策という甘い汁はいらない。飲んだら毒になる。戦いは今、始まったばかりだ!」

 3町長を代表して壇上に上がった伊仙町の大久保明町長が声を張り上げた。かつて保岡興治、徳田虎雄両陣営が衆院選のたびに「保徳戦争」を繰り広げた徳之島の中でも、南部の伊仙町は最も政争の激しかった町だ。選挙制度の変更でのどかさを取り戻した島に「基地」という政争のタネが突如もたらされた。

 移設先に有力視される徳之島空港を抱える天城町の大久幸助町長も集会後、「政府は八方ふさがりになった。これだけ集まったのだからもうあきらめてほしい」と言い切った。

 ≪政府ちぐはぐ≫

 もともと徳之島が反対一色だったわけではない。主要道路の随所に「米軍基地反対」との看板が掲げられているが、振興策を当て込み、移設を支持する島民も少なくない。徳之島を含む奄美群島の1人当たりの年間所得は都道府県最下位の沖縄県より低いからだ。

 「仕事が増えるなら基地受け入れも仕方がない」

 天城町の農業男性(37)はサトウキビ畑で作業をしながら語った。だが、鳩山首相、平野博文官房長官ら政府の動きはちぐはぐなままだ。

 ≪首相「行きたいけど…」≫

 「徳之島に行って、しかるべき人に会いたい。だけど平野君が止めるんだよ」

 首相は先週、周囲に徳之島への思いをもらした。沖縄にも近く、2千メートルの滑走路もある徳之島は「県外移設」にこだわる首相にとって切り札的存在だった。もっとも、首相の思いだけが先行し、政府全体として移設に向けた取り組みをしてこなかった。賛成派住民が航空運賃引き下げなど6条件をまとめるなど受け入れ準備に動いたにもかかわらずだ。

 地元にも政府側が正式な説明をしたことはなかったため、かえって反対運動の拡大を招いた。反対の声の高まりに慌てた平野氏は8日、徳田氏の次男の徳田毅衆院議員(自民)に協力を要請したが、断られた。

 首相が乗り出したところで、米政府が移設先の条件として求める「地元合意」を得ることが難しい状態にまでこじれている。

 賛成派の元天城町議会議長、前田英忠氏(62)は17日、対応の遅い政府への不満をぶちまけた。

 「早く結論が出ないと、こちらは動けない。政府は結論を出すどころか、勝手にばたついて、反対をあおっている」

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